マロは赤ちゃんの頃、抱っこが嫌いでした。抱っこをせがむことはなかったし、抱っこ紐をつけても、私と触れないようにのけぞるような形になっていました。
何かを触ることが嫌いで、おもちゃも触らない、家にあるものも触らない、扉も開けない、砂場や芝生の上に置くと大泣きしていました。
後追いがなくて、私がいなくても平気でした。楽しいことがあると笑ったりしていたけれど、じっと目を見つめたり、しっかりと顔を見ることはありませんでした。
1歳の親子療育の時は、毎回大泣きしていました。抱っこしても落ち着かないから私は必死でした。おもちゃでも遊ばないし、抱っこしても落ち着かないし、みんなが怖がるタオルブランコだけは大笑いで楽しんでいました。
2歳で診断がつき、まだ受け止めきれなかった頃、「愛着障害」という言葉も必死に調べたりしていました。
自分はマロのことを愛せない、そしてマロも私のことを愛していると感じない、必要としていない、そんな風に感じていました。
1歳半の頃、まだ歩けないどころかハイハイできたばかり、さらに私はマロと通じ合えない感じがずっとしていたため、何かできることはないか、必死で探して出会ったのがタッチケアでした。
そこから感覚や発達のことを勉強しながら、2年間、毎日必死でマロにタッチケアをしました。
そうしてタッチケアによって意識的に肌と肌を触れ合い、そして私から向き合って目を見て、タッチを行うときは声をかけて、マロが何かしらサインを出してくれてからタッチを行いました。嫌がる場所は無理せずに。大丈夫そうな場所から少しずつ。そして、大好きな歌を歌いながら。
毎日毎日繰り返すことで、たくさんの変化がありました。
触られるのが苦手だったマロが、だんだんと体の場所によって好きになってタッチを喜ぶようになりました。
目が合わなかったマロが、タッチの時に目を合わせたり、気持ちを共感したり、通じ合える瞬間が増えました。
私を触ろうとしなかったマロが、私のほっぺたを触って目を見つめ、愛情表現をしてくれるようになりました。今ではたっくさんチューをしてきます(笑)口は特に過敏で触られるのが嫌いだったのに!
そして、私自身もマロと肌を感じ合わせることでマロのことが愛しくなり、マロと通じ合える瞬間に喜び合えるようになりました。
そして今では、私はマロの一番の理解者で一番愛していると自信を持てるようになりました。
そしてマロは、自分のペースでこの世界を見たり楽しめるようになり、家族や先生、お友達など愛する人がたくさん増えました。
もちろん、まだまだ課題は多いけれど、急ぐ必要はありません。マロのペースでいいんです。マロは一生懸命生きている。
逃げたっていい、立ち止まったっていい。みんなと一緒でなくていい。
マロはマロです。そんなマロを愛している家族がいます。
私とマロを変えてくれたタッチケア。
これからも、ずっとずっと大切にしていきたい。